修士号を取り終えてから、更新頻度が落ちている小迫です。
ブログの更新をもう1つのブログ Healthcare Compass ( https://compass.healthcare-ops.org )に移したのも理由のひとつですが、オンライン大学院ブログも細々と更新していきます。
今回も寄稿シリーズ。
過去2回はこんな記事をご寄稿いただきました。
今回は、第3弾。
山本啓太 Keita Yamamoto (@physiokeita) | Twitterさんが、The University of ManchesterのオンラインMPHプログラムに合格したと聞き、合格までの道のりを書いていただきました。
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はじめに
はじめまして、理学療法士の山本啓太(@physiokeita)と申します。私は現在、ベトナムの医療系大学に勤務しており、2019年9月よりマンチェスター大学オンラインMPHプログラムを 開始します。この記事では、同大学の受験情報をお届けします。
マンチェスター大学を選んだ理由
まずは私がマンチェスター大学を選んだ理由についてです。オンライン大学院を目指し始めた 当初は、ブログ主である小迫さんと同じリバプール大学を受験する予定でした。同大学を選択 した理由は、恥ずかしながら、他のオンライン大学院について詳しく調べておらず、先駆者が いて、ランキングが高いといった安直なものでした。
しかし、この記事 (ちなみにこの"フォロワーの方"とは私です)にあるように、リバプール大学は2021年までオンラインMPHの学生の受け入れを停止してしまいました。そのため、イギ リス中のオンラインMPHプログラムを一から調べることになりました。
私にとって大学院選びに重要だったのは、
- カリキュラムが充実していること
- 世界大学ラ ンキングが150番以内
の2点でした。受講科目が固定されている大学院が多い中、マンチェス ター大学は26科目から8科目を選択するという非常に多様なプログラムを提供していることが わかりました。また世界大学ランキングもPublic Healthの分野では、100~150番(2018年) と私の条件を満たしていました。
プログラム
ここからはマンチェスター大学のMPHプログラム、応募条件および提出書類について記載して いきます。ただこれらの情報は常に変更する可能性があります。したがって、こちらのホーム ページも必ず合わせて確認するようお願いします。
プログラムに関してまず特徴的なことは、先程も述べたように26の科目から自由に選択できる ということです。「Evidence Based Practice」のみ必修で、その他の「Field Epidemiology」、「Communicable Disease Control」、「Health Systems Challenges in Low and Middle Income Countries」など非常に興味深いコースが開講されています。ま た「Qualitative Research Methods」といった質的研究について学ぶコースがあるのも他の MPHプログラムと異なる点です。
学費は約260万円です。決して安くはありませんが、イギリスへの正規の大学院留学やアメリ カのオンラインMPHに比べると手頃な金額だと思います。
また1年間、2年間もしくは3~5年と履修期間を選択できることも利点の一つです。
応募条件
応募するにあたり、求められている条件は2つです。
- 学士号:Second Class Honours以上(上位30~40%以内の成績であること)
- 英語:IELTS Overall 6.5(Writing 6.0以上)もしくはTOEFL iBT 90点以上(各セクション22点以上)
私の大学時代の成績は、上位60~70%と決して良いものではありません。それでも合格できた ので、学部時代の成績が悪くてもチャレンジする価値はあると断言しておきます。
また私の英語力ですが、IELTS OA 6.5と応募条件ギリギリのスコアでしたが問題ありませんでした。
提出書類
提出する書類は全部で6種類です。
- 大学の卒業証明書
- 大学の成績証明書
- IELTS / TOEFLスコア
- CV(履歴書)
- 応募動機書(300~500文字)
- 推薦状(職場、大学1枚ずつが望ましい)
当然ですが、全て英語で記載されたものになります。 なお試験や面接はありませんでした。
書類を準備するにあたって最も困ったことは、GPAスコアを申告しなければならないことでした。というのも私の出身大学の成績表はGPAに対応していなかったのです。そのことをマンチェ スター大学に問い合わせてみると「それならば大体のスコアで書いてください」と寛容に対応 してもらい、無事出願することができました。(同様のケースでも一応問い合わせることをオススメします)
合格発表
驚いたことに、出願した翌日に合格のメールが届きました。あまりの早さに驚きが先行し、喜びも半減でした。この合否判定の早さから、応募条件さえ満たしていれば全員が合格するので はないかと私は考えています。(根拠はありません)
これからオンライン大学院を目指す人たちへ
まだ学位を取ったわけでもない私がアドバイスをするなどおこがましい限りですが、これから イギリスの大学院への進学を考えている皆さんに2点お伝えさせてもらいます。
1. ボランティアはしておいた方が良い
海外の大学院ではボランティア経験を問われることが多いです。マンチェスター大学でも”CV にはボランティア経験を書いてください”とわざわざ注意書きがされていました。
私は、ベトナムの農村部での医療支援ボランティアに3年間(毎年1週間)継続して参加した 経験があり、非常に良いアピールポイントとなりました。1週間、もしくはたった1日でも参 加することでアピールできますので、是非経験しておいた方が良いと思います。
2. オンライン講座を受けてみる
今の時代、世界中の大学が無料でオンライン講座を開講しています。私はオンライン大学院を 考えている人は全員、出願前に受講するべきだと考えています。その理由は下記の3つです。
- オンライン授業の雰囲気が知れる。
- 勉強のリズムが作れる。
- Certificate(修了証)がもらえる。
特に3つ目は、CVに書くことができて良いアピールになります。MPHを勉強する人に強く勧めたいのがロンドン大学衛生熱帯医学大学院が無償で提供している「Global Health and Disability」というコースです。50ドル程度を支払うことで、無料期間を過ぎても利用ができ て、修了証も貰うことができます。ちなみに私が今、受講しているのは同じくロンドン大学衛生熱帯医学大学院の「A History of Public Health in Post-War Britain」というコースです。
まとめ
前にも書きましたが、私は大学時代の成績は良くありませんでした。そして5年前までは英語 もほとんど話せませんでした。それでも諦めずに勉強を続けることで世界的に有名なマンチェ スター大学の大学院生になることができました。この文章がオンラインMPHを検討している人 の役に立ってくれることを願っています。
質問はツイッター上(山本啓太 Keita Yamamoto (@physiokeita) | Twitter)でどうぞ。
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いかがでしたか、山本さんの合格体験記。
翌日に合格通知が来るのがすごいですね。と言いつつ、私も1週間弱で合格通知をもらった記憶があります。
オンラインの場合、生徒を逃したくないというのもあって、大学院側の囲い込みも早い&基準を満たしていればOKというのがある気がします。
詳しいことは、Twitterで、とのことだったので、ぜひ山本さんをフォローしてみてください。
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